教室のことあれやこれやと、おもいつくままおはなしします。

道具のこと
木枠の織り機をつかって、織ってゆきます。
織り機は、とてもシンプルなかたちをしています。
小さいサイズのものは持ち運ぶことができます。
製作が途中になってしまっても、ご自宅で続きを織ることができます。
織り機は市販のものや、お持ちのものをおつかいいただくか、グロナトレッドオリジナル木枠の織り機もご用意しています。
また、画材店などで売っているキャンバス用の木枠にくぎをうち、手作りすることができます。

織りについて
北欧には、地域や家庭で織られ伝わる素晴らしいデザインの織物があります。
そのなかから、フレミッシュ織りを中心に技法を習得し、製作します。
経糸(たて糸)のはり方、緯糸(よこ糸)のかけ方、絵織りの技法、糸始末、はじめから仕上げまでのすべての作業をひとりでできるよう、マスターしてゆきます。
基本的に、経糸(たて糸)は麻、緯糸(よこ糸)には羊毛をつかいます。
そのほか、綿、絹などの素材の糸をつかいます。
色糸で少しずつ絵をえがくような感じで、下から上へ織り上げます。

下絵
下絵となるパターンをガイドとして、織りすすめます。
いまでも人気があり、古くから伝わる下絵となるパターンには、花や植物、鳥や蝶、雪、星、馬やロバなど動物たちが、生き生きと描かれています。
ユニコーンのような空想上の生き物、神話、おとぎ話、宗教的なモチーフなど、ものがたりのワンシーンのように画面いっぱいに広がっています。
自然界にみいだされる幾何学模様、不思議なかたちの超自然的なモチーフのようなものもあります。
冬、冷たい雪や氷でおおわれ、おそれるほどの厳しい自然のなかで生きるには、車や現代の暖房器具などない時代、あたたかな織物が、心も命も、守ってくれる魔法の布のようであったのかもしれません。
じゅもんのようにぎっしりと描かれたモチーフからは、当時の人びとの願いや感謝、自然への愛情が伝わってきます。
教室では、古典模様として伝わる織物のパターンや、現代の作家がデザインした下絵などをご紹介します。
ご自身で下絵を描いて、世界にいちまいのオリジナルを作ることができます。


北欧産の羊毛
北欧織物は魅力的な糸。
生命力あふれる色糸は、眺めているだけで、しあわせなきもちにしてくれます。
あたたかくて、つよくて、美しい毛を、見返りをもとめることも、惜しむこともなく、提供してくれる羊たち。
作品が決して自分の力だけで出来上がるのではないと、おもわずにはいられません。

山田さんの糸
母が結んでくれたご縁で、すばらしい糸とめぐりあうことができました。
愛知県半田市で糸をつくっている、山田弥生さんです。
やわらかなグラデーションの色は、原毛をまず染め、そのあと紡いでいるからなのだそうです。
野の花、草木が大好きな方です。
その優しさが糸の色や風合いに、滲んであらわれているように感じます。
織り物だけでなく、編み物にもつかえます。
糸はアトリエで販売しています。
